第61次千葉県教育研究集会
第8分科会 技術・家庭科教育(技術教育)
実践的・体験的な学習を通し,生徒の興味・関心を高める学習指導の一考察
       〜間伐材(杉板)を用いた小題材の製作を通して〜

13
 
1.設定理由
   国立教育政策研究所が実施した「特定の課題に関する調査」技術・家庭科において,
 質 問紙調査結果では,技術分野の学習は大切だ,普段の生活に役立つと解答した生
 徒の割合は約80%と生徒の興味・関心は大変高いことがわかる。
  これまでの我が国は,ものづくりの技術を通して大きく発展してきた。流通の発展から
 も,私たちの生活は豊かになった。反面,廃棄されるゴミ問題や資源問題も挙げられる。
  たとえば,自家用車について考えてみると,少し前まではモデルチェンジのサイクルも
 4年程度であり,買い換えをする消費者が多かったが,現在の社会情勢もあり,買い換え
 サイクルが延びたり,買い換え促進のため,エコカー減税なども話題になった。
   そこで,更に興味・関心を高める手だてとして,重要視されている技術と環境との関わ
  りについて考える機会を設けることが有効であると考える。また,本教科の特徴でもある
  実践的・体験的な学習を通して達成感や成就感を味わいながら,生徒の興味・関心を更
  に高められると考え,本主題を設定した。
 
2.研究仮説
(1)ものづくりの経験の少ない生徒は,小題材の製作を繰り返すことで,達成感が得られ
   るであろう。
(2)間伐材の性質を考慮した題材を与えれば,生徒は技術と環境についての理解を深め興
   味・関心が高まるであろう。
               
3.研究内容
 (1)実態調査                     (4)間伐材を利用した小題材開発 
 (2)ガイダンスを考慮した年間指導計画  (5)生徒の興味・関心の変容   
 (3)興味・関心の分析方法
 
4.結論
(1)ものづくりの経験の少ない生徒に,小題材の製作を繰り返し行うことで生徒の感想に
    もある「まっすぐきれいにけずれて良かった」「うまくできた」「板をもらってやり
    直したらうまくできた」「またやりたい」という言葉からも,達成感を得ることがで
   きた。
(2)間伐材を使った小題材で製作することを通して,技術と環境についての理解を深め,
   興味・関心を第2段階と第3段階で94.1パーセントに高めることができた。
   
   8−1

 
      安房支部 館山市立房南中学校 平柳 毅 
               館山市立第三中学校 御子神潤一