題材例

応援団支部

第3学年 技術・家庭科学習指導案      

1 教科研究主題 自ら判断し課題解決していく力と確かな実践力を持つ生徒の育成

 

2 題材名 「プログラムによる制御」

 

3 題材について

 (1) 題材観

 学習指導要領第8節 技術・家庭の内容D「情報に関する技術」では,「情報通信ネットワークと情報モラルについて,コンピュータの構成と基本的な情報処理の仕組みを知り,情報通信ネットワークにおける基本的な情報利用の仕組みを知る。著作権や発信した情報に対する責任を知り,情報モラルについて,及び情報に関する技術の適切な評価・活用について考えること。また,デジタル作品の設計・制作について,メディアの特徴と利用方法を知り,制作品の設計ができることや多様なメディアを複合し,表現や発信ができること。さらにプログラムによる計測・制御について,コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知ることや情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できること。」を指導事項としている。この中で「プログラムによる計測・制御」の指導にあたって「問題の発見→課題の設定→課題の解決→生活への応用と新しい課題の発見」といった流れを中心とする問題解決的な学習を心掛けていきたい。また,自己評価をまとめとして記述させることによって,正しい言葉遣いを意識させ,言語活動の充実を図りたい。ここでは電子マニュアルを参照することによって,課題を解決していく場面を多く設定し,生徒自らがコンピュータを活用できる能力を身につけさせたいと考え,本題材を設定した。

  (2) 指導内容の系統性(各教育段階で身につける情報活用能力・態度)

    小学校             中学校                       高等学校

コンピュータに「触れ,慣れ親しむ」活動を推し進め,学校教育活動全体を通して,情報手段を積極的に活用できるようにする。

 

 

 

 

情報に関する基礎的・基本的な知識及び技術を習得させるとともに,情報に関する技術が社会や環境に果たす役割と影響について理解を深め,それらを適切に評価し活用する能力と態度を育成する。

 

 

 

 

 

情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育てる。

 

 (3) 生徒の実態(16人)

本時の授業を行うにあたって,以下の調査を行った。(複数回答あり)

調査人数16人 欠席なし 調査実施日 平成23年7月19日

 

 1 小学校で学習した内容は何ですか。

   ワープロ 10人  お絵かき 10人  学習教材ソフト 8人

 2 コンピュータの学習についてどう感じますか。

   得意  3人  苦手 4人

  楽しい 10人  退屈 3人

  好き  10人  嫌い 0人

 3 プログラミングと聞いて連想する言葉は何ですか。

   かっこいい 4人  難しそう 10人  挑戦したい 3人  関心がない 2人

 4 コンピュータ関係に就職したいですか。

  はい 8人  いいえ 8人

 

 

< 考  察 >

本学級の生徒は活発で,「情報に関する技術」の学習に対して意欲的である。コンピュータの学習について楽しいと感じている生徒が多く,ほとんどの生徒が好きと考えている。しかし,中にはコンピュータの学習を苦手としたり退屈と考えたりする生徒もおり,プログラミングと聞いて難しそうと考えている生徒が多いので,これらに対する意識改革の重要性がうかがえる。また,学習にあたって友達に頼ってしまい自分で解決しようとしない生徒もいるので,各自に自己決定の場を与え,課題を自分で解決していくようにさせたい。

  特に最近の生徒は困難な課題に対してはじめからあきらめてしまう傾向があるので,課題を途中で投げ出すことなく,最後までしっかりと取り組むようにさせたい。

 

4 目標

 (1) 情報やコンピュータについて関心を持ち情報やコンピュータを進んで活用できる。  

 (生活や技術への関心・意欲・態度)

 (2) 情報処理の手順を考え,簡単なプログラムを作成できる。             

 (生活の技能)

  (3) 著作権や発信した情報に対する責任を知り,情報モラルについて考えることができる。

 (生活や技術についての知識・理解)

  (4) コンピュータを利用した計測・制御の基本的な仕組みを知る。              

 (生活や技術についての知識・理解)

 

5 指導計画17.5時間扱い 本時は3時間目) 

時間

    学 習 内 容

   支援・指導上の留意点

    評価と方法

 

 

 

 

・情報通信ネットワークと情報モラル

 

 

個人情報保護や著作権について遵守意識を育てる。

 

 

パソコン検定の正解率は合格レベルだったか。

 (検定結果)

 

本時

 2/5

 

・迷路の脱出・作成

 

 

 

できるだけ単純なプログラムの作成を心がけさせる。

 

 

反復と分岐を利用しているか。 

 (プログラムから確認)

 

 

 

 

・対戦型ロボットの設計・実行

 

 

ロボットのタイプと動きの関連について考えさせる。

 

 

効率的なプログラムを作成できているか。(プログラムから確認)

 

 

 

・実物ロボットの走行

 

 

電子マニュアルを参照させて疑問点を解決させる。

 

思い通りの走行になっているか。

 (自己評価)

 1.5

 

 

 

・評価・活用

 

 

 

反省と課題をまとめさせ,自己評価させる。

 

 

まとめの中で反省と課題について確認しているか。

 (自己評価)

 

6 本時の指導

  (1) 目標

   ○情報処理の手順を考え,簡単なプログラムが作成できる。          (生活の技能)

 

  (2) 展開                                  ※評価に関する支援  ◎評価と方法

学習活動と内容

時配形態

支援・指導上の留意点と評価

資料・教具

1 本時の学習問題を把握する。

 

 

ホワイトボード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画面転送用

プロジェクタ

パソコン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 迷路を脱出するためにはどのようにしたらよいか。

 

 自分のめあてについて挙手す

 ・ヘルプを利用する。

 ・レベル選択画面の説明をきちんと読む。

 

 

 

 

 

2 ロボチャートを利用する。

 (1) ロボチャートを起動する

 (2) 「迷路抜け」を選択する

  (3) 迷路のレベルを選ぶ。

 

 

 

 

 

 

3 迷路を脱出する。

  (1) 動き全体の流れを決める

 (2) 繰り返しの命令を選ぶ。

 (3) 動きを選ぶ。

 (4) 回数を決める。

 (5) 実行する。

  (6) 修正する。

 

4 自己評価する。

 (1)必要に応じて作品を保存してシャットダウンする。

 (2)上手にできたこと,うまくいかなかったことを自己評価して挙手する。

 ・迷路の脱出が上手にできた。

 ・迷路の脱出ができなかった。

 ・反復命令が上手に設定できた

 ・反復命令が設定できなかった

 (3)反省をもとに次時に改良したい点や取り組みたい点を選択する。

3分

一斉

 

 

 

 

 

 

 

2分

一斉

 

 

 

 

 

 

 

 

40

個別

 

 

 

 

 

 

5分

一斉

 

 

 

 

 

 

 

 

・本時のめあてについて自分なりの考えをまとめるように指示する。

※めあてを設定できたか確認するため,重点とする内容について挙手させ,把握する。

・前時の反省を元に目当てをつかませる。

 

 

・ロボチャートの利用手順を画面転送用プロジェクタで確認させる。

・生徒の画面観察により,起動できない生徒の援助や,操作のできていない生徒の援助をする。

・生徒の画面観察により,操作できない生徒の援助をする。

 

※ロボチャートの使い方について理解の不十分な生徒を把握し個別に支援する。

◎迷路を脱出することができたか。             (画面観察)

         

 

 

・時間のけじめのつかない生徒がいた場合シャットダウンを促す。

※次時に生かすために客観的に 自己評価するように指示する。

 迷路を上手に脱出することができたか自己評価し挙手する。

・上手にできなかった生徒を把握しておき,自己評価と比較する。

・どんな改良をしたいか考えさせ,意欲化を図る。