題材例(応援団支部)
銅の表面処理(硫化銅皮膜)について
 理科の化学反応実験で行われる酸化銅や、美術の銅板製作で利用するやり方と基本的には同じである。ただし、理科実験のようにバーナーで熱したり、硫黄紛を使ったりはしない。また、美術のように希硫酸で汚れを落とすようなこともしない簡単なやり方である。この方法で銅と硫黄を化学反応させる。(Cu+S→CuS)ことにより、銅の表面に光沢のある硫化銅被膜ができ、金属の酸化を防止することができるものである。
 しかし、この皮膜は薄く結合力も弱いため、衝撃や摩耗には弱い。また、緑青が発生しやすいという欠点もあるが、使用頻度の高い(よく触れる)ものについては、ほとんどその心配はないと思う。被膜の表面をワックスやニス、インクララック等でさらに覆えば、緑青の発生はかなり抑えられるであろう。
 
表面処理のしかた
 1.胴の表面を研磨剤で磨き上げ、脂分は完全に落としておく。
 2.水またはお湯に温泉入浴剤(610ハツプ)を入れ、濃い黄色にする。
   (繰り返し使って入浴剥が白く変色した場合は、また新しいものを作る)
 3.銅を液体の中に漬け込み、表面が黒褐色になるまで待つ。(30秒〜1分ぐらい)
 4.銅を取り出し、表面の水分が少なくなったら、濡れた布で表面の付着物を拭き取る。
 5.乾いた布で表面を磨くように拭く。
 

「処理前」

「処理後」


 
 
追記・・緑青は銅に発生するサビの一種であるが、その色から毒としてのイメージが強いが、実際の毒性はほとんどないと言うことが研究されています。くわしくは下記で。
   ・財田法人日本規格協会発行「銅のおはなし」著者 仲田 借一
   ・http://www2.ginzado.ne.jp/shayo/dou/dou.htm


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