技術・家庭科(技術系列)学習指導案
                                  
1.題   材 技術とものづくり (木製品の製作)
 
2.題材について
 ・題材観
   新学習指導要録では、技術・家庭科の目標を「生活に必要な基礎的な知識と技能の習得を通して、生活  と技術とのかかわりについて理解を深め、進んで生活を工夫し創造する能力と実践的な態度を育てる。」
  とし、社会の変化に主体的に対応できる人間の育成を目指して、生徒が生活を自立して営めるようにする
  とともに、自分なりの工夫を生かして生活を営むことや、学習したいことがらを進んで生活の場で活用す
  る能力や態度を育成することをねらいとしている。この目標に近づくため、本校の技術・家庭科の研究主
  題を「自ら課題を持って解決する能力と生活に生かす態度を育成する。」と設定し、木材加工を取り入れ
  課題解決的な学習ができるよう工夫することにより、自らが課題を持ちそれを解決していこうとする能力
  を身につけさせていこうと考えた。
  日本は、国土の約7割が森林で、針葉樹から広葉樹まで多くの樹種に恵まれている。私達の祖先は、遠
 い昔からこれらの木材を利用し、家を建て、道具や家具などを作ってきた。近年、木材のほかに金属や合
 成樹脂等が家具等の材料として使用され豊かな生活に役立っている。しかし、木材にはこれらの材料には
 ない親しみや暖かさ、加工しやすさがあり、私達の生活に不可欠なものになっている。
  本題材では、実用性が高く、製作するときの難度が違う数種類の作品を選定し、生徒自身が自分の能力
 にあわせて題材を選べるようにした。こうすることによって、生徒の興味・関心が高まり、創意工夫しな
 がら進んで製作しようとする意欲が得られるのではないかと考えた。又、それにともない製作に必要な知
 識・技能を習得しようとする意欲も高められ、自ら課題を解決していこうとする気持ちが育つと考える。
 しかし生徒は,けがき、切断、切削などの作業経験が乏しく、作業時には常に大きな不安が生じるものと
 考えられる。だが、そういった不安も作業全体を通して友達同志で協力しながら作業すると共に、木工具
 の基本的な使用法を知り、それを実践する事によって解消されると思う。また,そのような作業過程を通
 して製作した作品の完成によって、できた喜びを味わ い、それが満足感に通じ、将来、自分で何かをつ
 くりあげようという意欲につながるものと考え本題材を 設定した。
・生徒の実態
   生徒は、男子20名 女子20名の計40名で授業を行っている。全体的な雰囲気としては、まじめな授業態
  度であるが、中には、授業に集中できない生徒も数名見られる。このことから、生徒の興味・関心のもて
  る授業展開を心がける必要があると考える。
   これまで、木材を使って、何かを作り上げた経験のある生徒は少ないものの、大半の生徒が何らかの理
  由で、のこぎりやげんのうなどの工具を使用した経験を持っていた。また、木工具を使用した作業に興味
  関心を持っている生徒は多くいるが、それらの正しい使い方について理解している生徒が少ないことがわ
  かった。このことから木製品の製作を行う際、生徒は大きな不安を持つと考えられ、木工具の使い方や木
  工機械について細かく指導する必要があると考える。本時では、両刃のこぎりの特徴を知るために、刃先
  の観察を行い、その特性をつかんだ上で使用方法を考えさせ、実証させて行きたいと考えた。
 
3.題材の目標
 【関心・意欲・態度】
  ・木材の加工法について、自分で考え、調べることによって、課題を解決しようとする。
 【創意工夫】
  ・使用目的や使用条件に則して、設計する必要性を理解し、自分の技能・作業時間を考えそれにあった作
   品を選択することができる。
 【生活の技能】
  ・木工具や木工機械の構造と機能を考え、これらを安全に使用することができる。
 【知識・理解】
  ・製図のルールの必要性を理解し、製作図を読み取ることができる。
  ・木工具の効果的な利用法について理解することができる。
 
4.指導計画 (35時間扱い)
 ・木材とわたしたちの生活 1時間
 ・木材の特徴と性質 4時間
 ・木製品の設計 3時間
 ・木製品の製作26時間
 ・けがき  4
 ・切断  3 【本時1/3時間】
 ・部品加工 11
 ・組立  4
 ・塗装  4
 ・木材の有効利用 1時間
 
5.本時の指導
 ・目標 両刃のこぎりを観察し、刃先の違いと切断方向による刃先の使い分けを理解する。
 ・展開                       ●働きかけと主な支援    ※評価

    学  習  活  動

時配

   評  価  と  支  援

 資  料

1、本時の学習課題を知る。

 

 2

 

・学習課題を板書することによって、本
日の課題を明確にし、学習意欲を持た
 せる。

学習プリント





ルーペ











ストローで作
られた木材の
模型









 


 

両刃のこぎりの刃先の使い分けを考えよう
 


 
2、両刃のこぎりの刃を観察し、刃先の
  違いについて考える。
・刃先を図示しながら、それに近い道
具を予想し、プリントにまとめる。








・両刃のこぎりに、なぜ2種類の刃が
ついているのか、木材の模型を見な
がら班で話し合い、予想をプリント
  にまとめて発表する。
 《予想》
・切る方向によって使い分ける。等






 
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●刃先の観察にルーペを使用し、刃先の
違いが分かりやすいように配慮する。

●各班をまわり、刃先に近い道具を予想
できない生徒には、学校等で使用した
ことのある道具(彫刻刀等)を想起で
 きるように支援する。

※刃先を良く観察し、図示しているか。
又、刃先に近い道具が予想できたか。
【机間指導】

●刃先に近い道具がどのような目的で使
用されるかを想起させ、刃先の違いか
ら、それぞれに切断する方向があるこ
 とに気づくよう助言する。

●各班の発表を聞き、自分で気づかなか
ったことにも確認するよう助言する。

※刃先の違いから、切断する方向で刃先
を使い分けることが予想できたか。
【発表】

 

3、廃材を利用して予想したことを確認
  する。
・のみを使って、廃材を繊維方向と繊
維に対して直角方向に削ってみる。

・それぞれの切削面を観察し、削れ方
の違いから、2種類の刃をどのよう
に使い分ければよいかプリントにま
  とめ発表する。




4、本時のまとめをする。
・横引き用の刃と縦引き用の刃につい
  て理解する。

・次の所を切断する場合、どちらの刃
  を使用するか考え、発表する。
 

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●のみを使った切削の方法を簡単に説明
すると共に、安全面に注意するように
 助言する。

●各班に廃材とのみを配布し、繊維方向
と繊維に対して直角方向に切削するよ
 うに助言する。

※両刃のこぎりでは、切断する方向によ
って、2種類の刃を使い分ける必要が
 あることがわかったか。
【発表】

●それぞれの刃には名称があることを知
 らせる。
・小刀に似ている刃:横引き用の刃
・のみに似ている刃:縦引き用の刃

●使い分けが理解できたか、簡単な質問
 で確認する。

※2種類の刃の使い分けが理解できたか
【発表】







●お互いに協力しながら、早く後始末を
 するように支援する。

※後始末がきちんとできたか。
【机間指導】
 

廃材2枚
のみ各班1本











学習プリント





















 






 
 





 






 






 






 






 






 






(まさめ板)


 



5、後始末をする。