第52回全日本中学校技術・家庭科研究大会
第52回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会
第2分科会「B エネルギー変換に関する技術」    


会場:君津市立周西中学校

1.公開授業の様子

・本時の題材 「3.11の経験から非常時に役立つオリジナルライトの製作をしよう」 

・授業の概要

 東日本大震災の時には、本地区も計画停電が実施されるなど、不便な生活を余儀なくされた。そのことを踏まえて、幅広いエネルギーの中でも、「電気」と「光」に焦点を当てて、非常時に役立つオリジナルライトを製作する。本時では、ライトの使用目的・条件を明確にし、GTのアドバイスを参考にしながら、ライトの構想を練った。

金工室での授業展開の様子 ユニットカードを使用して、構想を練っている様子
ユニットシールを貼って、
構想を具現化している様子
隣の木工室にて、実際にユニットカードを
手にして話し合う参加者の様子

2.授業研究・提案発表


・授業者の反省(君津市立周西中学校 岡本 誠士 教諭)

 まず、題材を考えるにあたっての経緯と本時までの実践についての説明があった。その後、本時の説明・反省を述べた。評価・活用へとつなげていけるよう指導していきたいという、今後に向けての展望も述べた。

・提案・発表 「エネルギー変換に関する基礎的・基本的な知識及び技術の習得を図り,生活に活かす学習指導の在り方」
         (袖ヶ浦市立長浦中学校 鵜野 雅彦 教諭 ・ 木更津市立清川中学校 渡邉 宏幸 教諭)

 君津地方教育研究会技術・家庭科部会(技術分野)の中で2年間取り組んできたユニットカード・ユニット教材を利用した実践を通しての成果と課題について説明があった。また、更なる専門的知識の習得を深めるためのゲストティーチャーの活用についての説明もあった。

・質疑応答

 本実践について、理科との関係やユニットカードの内容についての質問があった。


・指導・助言
 千葉県教育庁南房総教育事務所指導主事 清水 善治 先生

 授業での子どもたちの姿勢から、ユニットカードやユニット教材の効果の高さを述べていた。そして、本提案の有用性を多角的に述べていただいた。また、地域の人材を活用したゲストティーチャーとの連携についても賞賛の声をいただいた。


 千葉大学教育学部教授 山野 芳昭 先生

 本題材への指導・助言に加え、昨今の技術・家庭科のおかれている現状を踏まえて、これからの技術・家庭科の指導のあり方について、ご指導いただいた。

3.提案発表・研究協議

 提案発表
・提案@「未来社会を展望し,生活を創る力を育てる技術・家庭科教育 −地域の再生可能エネルギーを有効活用した考える授業の工夫−」
 (山梨県 北杜市立小淵沢中学校 熊田 浩 教諭)

 生徒の思考を助け・導き・深める指導の工夫を追求するために、地域で多く設置されている水力発電に着目して、ハブダイナモを利用した水車の実践などが紹介された。

・提案A「一人一人の学びを高め,課題に取り組む生徒の育成 −電気回路の設計における「聴き合う協働学習」を通して−」
 (群馬県 富岡市立西中学校 角岡 大悟 教諭)

 グループ学習で学習ルールを設定したり、共通の課題だけでなく「プラスワンの課題」を設定するなど、学習手法に「学びの共同体」の考えを取り入れた実践が紹介された。

 研究協議
・提案@について、ハブダイナモを利用した水車の構想の広げ方やその効率の確かめ方に関する質問があった。

・提案Aについて、設計をしたあと、製作にどう結びつけていくのかという質問があった。


 指導助言
・中島 浩三 先生(山梨県教育委員会義務教育課指導主事)
 提案の内容と学習指導要領の関係について補足説明をしていただいた。また、ハブダイナモを利用した水車の、教材としての応用例やエネルギー変換に対する評価・活用へのつなげ方などのアドバイスをいただいた。

・平形 隆正 先生(群馬県総合教育センター指導主事)
 未履修の部分が多かったエネルギー変換の分野の指導の現状を踏まえ、これからの授業改善に向けての助言をいただいた。また、関ブロ群馬大会に向けての取り組み状況についても説明があった。