第52回全日本中学校技術・家庭科研究大会
第52回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会
第4分科会「D 情報に関する技術」
会場:野田市立岩名中学校
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・本時の題材 「センサロボットを用いた計測・制御の学習を通して、技術を実生活に活用できる学習指導の在り方」
・授業の概要
前時に作成したプログラムをモータカーに転送し、コースタイムを計り、パソコンにデータを入力した。生徒はデータの入力を通してプログラム制御とリモコン操作の違いをグラフから読み取り、プログラム化することの利点について話し合いをしながら考える。
生徒がプログラム制御された ロボットを動かしている様子 |
授業者の話を聞いて 内容を理解しようとしている様子 |
生徒がコンピュータでデータを入力している様子 | グループで話し合いをしている様子 |
教科調査官や参観者が 音楽室で中継された授業を見ている様子 |
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・授業者の反省(野田市立岩名中学校 高橋 勇三 教諭)
10月上旬に新しいパソコンに切り替えて行った授業展開であった。
当日の悪天候と湿気で廊下に置いてあったプログラム制御用ロボットのコースの紙によりゴールしにくかったため、昨日授業で行ったデータを使用して本日は授業を展開した。
生徒のパソコン扱いに慣れないところがあったが、発表も多く目標に迫れたように思う。
・提案・発表(柏市立南部中学校 小松 靖 教諭 ・ 柏市立松葉中学校 牧野 尚斗 教諭)
我々を取り巻く生活環境は、センサを用いた計測・制御の技術がたくさんあることから身近にある計測・制御の技術に気づかせ、そのしくみを理解させる授業の在り方を模索し、最終的にはそれらの技術を活用する能力と態度の育成を目指した。コンテスト型授業を実践することによって競い合いの中で生徒はより良い結果を求め、自発的な学習姿勢を見せるようになった。又、ブラックボックス化されていないセンサロボットを利用して、問題解決を図る指導を工夫すればよいことがわかった。
・質疑応答
リモコン操作とプログラムのデータを可視化した点がよく、優秀なプログラムのコピーから著作権も指導できた。
最後の路面の状況の違いから3Dプリンタのスリップから車を歯車にするなどの広がりも必要だと感じた意見があった。センサーの指導はどうするのか質問があった。センサー指導は、接触センサーを中心に他は軽く指導したいと返答した。
・指導・助言
千葉県教育庁東葛飾教育事務所 指導主事 高橋 一夫 先生
シーケンスの利用利点が分かり、良いアイデアの授業でした。主体的学習で、試行錯誤があり工夫があり、意欲が高まる問題解決学習につながる授業であった。授業では、生徒教師間の関係が良く、ホワイトボード、ワークシートへの考えのまとめなどの場面があり良かった。普段の生活の中で活用しているものを取り入れることも大切である。センサーの良さを取り入れながら、授業の中での授業設計が
良く考えられている。
千葉大学教育学部教授 飯塚 正明 先生
体験学習から理解しやすい。しかし、コンテスト型は興味が高いが、しかし、今回の授業はそれだけではなかった。コンテスト型は、導入として活用した点が良い。シーケンスから深めていく方法は良い。生徒は良く動いていたし、統計処理も含まれていておもしろかった。プログラム言語指導は難しいのでフローチャートの指導が大切だろう。時間の制限からも大切。センサーは、自動車の衝突回避の制御技術も触れるとおもしろい。
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提案発表
・提案@「『工夫・創造』をねらって育てる『計測・制御』学習の授業づくり」
(神奈川県 厚木市立相川中学校漣 幸一郎 教諭)
生徒の実態から指導方法の工夫、基礎学習は紙教材、考える学習などを考え、指導計画6時間それぞれの柱を考えた。ロボット教材のプログラム修正を考え、センサーやホワイトボードの活用を入れた。自信を持ち活動するように創造する能力の育成は個人、グループ、個人の流れで思考させる工夫した
・提案A「計測・制御分野における課題設定の工夫 〜自動掃除ロボットのナゾを解き明かそう!〜」
(新潟県 三条市立本成寺中学校 前田 尊昭 先生)
興味・関心を引き出すことから生徒に視聴させたおそうじロボの動画からブログラム導入として活用した。ひきつける設定、プログラムが容易な教材、多様なプログラムを保証する状況設定を行い、順次、反復、分岐処理を理解させる、ペア学習の活用、より生徒を引きつける課題設定を行った。
研究協議
・提案Aについて、実生活との結びつきをどのように持たせるのかが難しいのでヒントがあれば教えてほしい質問にプロロボとの関連づけはお掃除ロボットがコマーシャルで知っているので有効であるとの回答があった。
指導助言
・松山 雅彦 先生(神奈川県立総合教育センター 教育事業部キャリア課課長)
計測・制御の指導は、先生方の学習意識を変えてみたり、狙って育てる、どうしたら能力が育ったのか、を先生が描くことが大切である。また、知らせることから意識を持たせたい。実は単純なものが複合してできていたと感じさせたい。発展性への変化にどうつなげるか、授業の中で感じ取れる生徒を育てたい。
・白石 誠史郎 先生(新潟市立濁川中学校校長)
大切なのは、課題の設定、自らの生活からの課題、と子供の主体的な学びを保証する授業が大切(生活体験が生かせる課題)である。また、教材で何が指導可能か、学校の中でどこまで可能な学習ができるか大切である。