第52回全日本中学校技術・家庭科研究大会
第52回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会 千葉大会
第7分科会「C 衣生活・住生活と自立」
会場:いすみ市立岬中学校
・本時の題材 「健康・安全・快適な生活を自分の手で」
・授業の概要
「生活の課題と実践」を1年生で取り組んだ授業実践である。生活経験の少ない生徒が「い・すみカード」や「自立度チェック表」などによって生活の課題を見つけ,解決に向けて考えさせる。本時は同様の課題を持つグループが全体に向けて発表し,友達の発表から自分の生活に生かすことについて考えをまとめた。
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各班ごとの発表
(ホールでの授業の様子) |
きれいにするために
身の回りのものを工夫してつくったもの |
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各班の発表の様子 |
各班の発表内容 |
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全体会の様子 |
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・授業者の反省(いすみ市立岬中学校 高松 洋子 教諭)
生活経験の少ない生徒が,自分の生活を見つめ,自分の力で課題を見つけ,解決していったことは生徒にとって大きな一歩であり,生徒の成長を実感できた。また,今回の学習では,家族を巻き込んで行われたこともあり,家庭科としての取り組みの一端を理解していただいたことは,教科にとって大きな収穫であった。
・提案・発表(いすみ市立国吉中学校 藤平 ひろみ 教諭)
生徒の生活の変化を捉え,1学年で「C衣生活・住生活と自立」を位置づけた。基礎的・基本的な知識や技術の定着を図るとともに,学習したことを生活に生かす場面を意図的に設定した。
。生徒に身に付けさせたい知識・技術を点検項目とした「衣生活・住生活自立度チェック表」と,その日の学習内容と自分の生活を関連づけて考えさせ,さらに知りたいと思ったことを記録させる「い・すみカード」を活用した。
・質疑応答
授業でかかった費用やワークシートの関心・意欲・態度の評価について質疑応答が行われた。
・指導・助言
千葉県総合教育センター 研究指導主事 田代 邦子 先生
実践的・体験的な授業であった。課題解決を行う実践をする上で家庭との連携はとても大切であると感じた。また、評価方法の工夫について研究を深めていく必要があるとの助言があった。
千葉大学 教育学部 教授 矢田貝 麻美子 先生
衣生活・住生活の最近の動向とアパレル業界の動向や人々の心の変化についての説明があった。特に大震災以降ものを大切にしていく気持ちが大きくなり、今はものの製作の意義や社会変化との関係を見直すいいチャンスであると話された。
提案発表
・提案@ 「生徒の学びを高め,生活する力を伸ばす学習指導の研究 〜生徒の実生活に即した題材を取り入れた,実践力を高める学習指導の工夫〜 」
(埼玉県 川越市立名細中学校 大島 邦子 先生・春日部市立豊野中学校 一條 亜津子 先生)
「C 衣生活・住生活の自立」で実践的・体験的な学習の指導方法についての研究。衣服の選択,着服,手入れと住居の安全で快適な住まい方についての基礎的・基本的な知識及び技術を習得するとともに,課題をもって衣生活と住生活をよりよくしようとする能力と態度を育てることをねらいとした指導方法の工夫について提案があった。
・提案A「確かな知識と技術をもって,衣生活の課題を解決していこうとする生徒の育成」
(群馬県 藤岡市立東中学校 丸山 晶子 先生・藤岡市立小野中学校 古市 由香里 先生)
衣生活に関する基礎的・基本的な知識と技術を身につけさせるために実践的・体験的な学習活動を重視するとともに,言語活動を充実させ,衣服を最大限に生かす視点をもって日常生活での実践化を意識させるためにD「身近な消費生活と環境」と関連を図っている実践について提案があった。
研究協議
・作品の評価についての質問があった。
・上毛カルタについての質問があった。また、指導計画とその実際の様子についての質問があった。
指導助言
・さいたま市教育委員会 学校教育部指導一課 主任指導主事 渋谷 恵子 先生
授業の取り組みについて良いところなどを丁寧に説明された。また、言語活動についての位置づけについてご助言いただいた。
・茨城県教育庁義務教育課 指導主事 太田 雅彦 先生
生徒へのアプローチ方法や基礎基本から栽培技能を身につけさせる工夫についてご指導をいただいた